世界No.1の総長と一輪の花
「あたしのことは明日葉って呼んでね!!!!!あたしは花莉って呼んでもいい!?」
「うん!!!」
明日葉がまた私から離れて「そういえば倫也!!」と言ってまた倫也を追いかけ回しに行った。
…すごくいい人
「俺ちょっと奥で調べものあるから適当に座ってて」
と言って詩優は奥にある扉を開けて中に入って行ってしまった。
「じゃあ私と花莉は紅茶でも飲みながら話そうか」
京子が私を台所に連れていくと、棚の中から小瓶を出した。
「これね。美味しいアップルティーなの」
と言って京子はアップルティーを作って、マグカップを私に手渡す。
「ありがとう」
……いい匂い
1人がけソファに並んで座る。
「花莉とこの時間一緒にいるの初めてだからなんだか嬉しい」
京子がアップルティーを飲みながら、笑みを浮かべる。
近くにあった時計を見ると18時をすぎていた。確かにいつもならこの時間は家にいる。
…本当にあの地獄から解放されたんだ………
アップルティーを1口飲む。温かくてとても美味しくて……
ずっとこの幸せな時間が続いて欲しい。
「私もだよ」