世界No.1の総長と一輪の花
ある朝の事件
雷龍の倉庫に行ってから約1週間経って、少しずつではあるけど詩優との生活にも慣れてきた。
慣れてきたけど…この1週間……詩優が早く起きたことなんて1回もない……
1週間も遅刻して…担任に次は反省文だと言われてしまった…
今日こそは早く起きてもらわないと…!!
「詩優起きて!!!」
いつも通り声をかけても全然起きない。
こうなったら…!京子のアドバイスを試そう…!
「詩優!!私ね、彼氏できたの!!!!」
大きめの声。起きた…?
腕を掴まれて、ぐいっと引っ張られる。
そして………どさっ……と倒れる。
私はベッドの上にいて……覆いかぶさる詩優…
押し倒されてる…って理解するのに少し時間がかかった。
「…誰?」
いつもより真剣な目………その目を逸らすことなんてできなくて………「嘘だよ」と言おうとしてももう少しこのままで……なんて思ってしまった……
「…彼氏……誰?」
少し悲しそうな表情になる詩優。
「…え、えと……あ、の…実は」
罪悪感しかなくて、「嘘」と言おうと思った時に___________
詩優の顔が近づいてきて……口が塞がれた。
声が出ない……
唇に柔らかい感触。
………キス…されてる…?