世界No.1の総長と一輪の花



「…花莉、1限目の授業サボらない?」


…せっかく康さんに送ってもらったけど…授業に集中できそうにない…



「…うん」




京子と3階の空き教室に入って、暖房をつける。



「何かあった?」



私と京子は椅子に座った。初めてここに来た時と同じように、机は6個くっつけたままで……



「……京子……どうしよう……私……詩優を…怒らせたかもしれない……」



声が震えて、また今朝のことを思い出すと涙が溢れる…



「え?詩優が?」



きょとん、と目を丸くする京子。



「大丈夫よ。詩優なんてめっっったに怒らないから。しかも惚れてる女の子には絶対怒らないと思うよ?」



よしよし、と頭を撫でてくれる京子。



「…あと……ね………初めて…少しだけ…詩優を怖いと…思った………最低だよね…助けてもらってばかりなのに…」



あの時すぐに「嘘」だと伝えていればあんなことにならなかった。悪いのはすぐに言わなかった私だ……




「人間はね、お互いのこと全部分かり合ってるわけじゃないでしょ?そう思っちゃうのは仕方ないことだと思うよ?

怖いって思ったことで相手のことをもっと知れたりするし」





…本当に?




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