世界No.1の総長と一輪の花
「そいつ、俺の女なんだよね。触らないでくれる?」
すぐ近くで声がする。
低い、男の人の声……
「何をふざけたことを言ってるんだ!!」
太った男は私の拘束を解いて、声のした方…後ろを振り向く。
ペタン……と地面に座り込んだ私。
雪で濡れた地面が冷たい……
……足には力が入らない…
「別にふざけてねぇよ?」
前を向くと、黒いパーカージャケットにフードを深く被った長身の男が立っている。
顔は暗いし、フードのせいでよく見えない
「ふざけてるだろ!!花莉ちゃんは僕のだ!!!」
そんなわけない……違う……
声を出そうとしても声が出ない。
なんで…
「俺の女だから」
フードを被った男は1歩ずつ太った男に近づく。
太った男は怖くなったのか、1歩ずつ横に移動して私から遠ざかる。
フードを被った男が一気に距離を詰め、拳を握り……
殴る…………
かと思ったら寸止め。