世界No.1の総長と一輪の花






帰りのお迎えの車が…いつもの車ではなく、ワゴン車。



すぐに意味を理解した私。



…勉強会、今日やるんだ



みんなが車に乗り込んで、竜二さんは嫌な顔をしながら乗った。




高層マンションに着いて、最上階の部屋に行く。



「寒いからこたつでやろ」



と、倫也が真っ先に部屋に入る。



「私紅茶でもいれようか?」



みんなはお客さんだし……



「あぁ。頼んだ」



詩優と私のやり取りを見た京子はにやにやしていた。うん。すっごく…



紅茶を全員分いれて持っていくと、もう勉強会はスタートしていた。


「どこがわからない?」


と聞く竜二さん。なんだかんだ言って教えてあげる気満々なのかもしれない。みんな友達だもんね。



「「全部」」



倫也と明日葉が同時に答えると、顔を歪める竜二さん…



「おい、詩優……お前もこっち側の人間だろ」



明日葉、倫也、詩優が並んで座って、明日葉の前に竜二さんが座る。竜二さんの隣に京子、その隣に私っていう席順。



4人のことは放っておいて、京子と私で黙々と勉強を始める。



「…京子、これ…どうやってやるの?」



数学は残念なことに1問目からわからない…京子の袖を少し引っ張って聞いてみる。



「んー?ここはね、これをこうして…」



私のノートに書いて説明してくれる京子。すごくわかりやすい。



絶対テストで上位狙える頭脳を持っているのにどうして赤点ギリギリしかとらないのだろうか…すごく不思議だ。



「ありがとう!京子!」



< 96 / 599 >

この作品をシェア

pagetop