世界No.1の総長と一輪の花




それから2時間くらい勉強して…



「あーきーたー」



と言い出す倫也。シャーペンを持ったまま固まっている明日葉……テーブルの上に突っ伏している詩優……



……みんなキャパオーバー…なのかな?



「今日はこれくらいにするか。その代わり明日は3時間勉強するからな」



竜二さんが勉強道具をバッグにしまう。優しいけど厳しいんだなぁ…



「妃芽(ひめ)、紅茶美味しかった。ありがとうな」



竜二さんが私を見て、微笑む。



……竜二さんに初めて呼ばれた……ひめって…



なんだか嬉しくて、「良かったです!」と元気に答えた。



…この3人が女の子に囲まれてる理由がよくわかった



「お前ら帰るぞ」



固まったままの明日葉を揺さぶって、テーブルの上の教科書とノートを片付けていく。



しっかりした人…



「私も帰るね」


京子も勉強道具を片付ける。



「京子勉強教えてくれてありがとう!」



「いえいえ。可愛い花莉のためならいくらでも教えてあげるわ」



またぽんぽん頭を撫でてくれる京子。詩優と違う温かさがあって落ち着く。











「また明日ね、花莉」


「またな」


「いい夜を~♪」


「…ばい」



4人は帰って行った。眠そうな明日葉は竜二に引きずられて……








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