W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
「…もう、我慢できない!静香ちゃん何で?」

「え?何がですか?おかず口に合いませんでした?」

急に涼月が迫って来て、のけ反りながらも目を丸くした。
和風を洋風に変えて作ったのがいけなかったかな?とか思ってると、

「涼、やめろ」

梗月が嗜めてくれるけど、涼月はお構い無し。

「違うよ!おかずは驚くほど美味しい!何で?何で俺と梗月のこと見分けられるの?さっき散々入れ替わりながらちょっかい出しに行ったけど、見てもいないのに静香ちゃん一度も間違えなかったんだよ!?」

「え?」

何を言うのかと思えばさっきのちょっかいはわざとなのか…。
朝といい、昼間といい、イチイチ試されてちょっとめんどう。
ムッとしていると梗月まで聞いてくる。

「ホントに不思議なんだ。僕達は親でさえ間違えるくらい似てる。声だけとか後ろ姿だけ見た時位だけど。
じい様くらいなんだ、間違わないのは…。静香くんは涼に今日初めて会ったのに、ちゃんと見分けて聞き分けている。何が違うんだろう?」

「そんなのわかりません。私にはお二人はそっくりだけど別人に見える、としか言えません」

さすがに梗月に見つめられて、何で?って自分でも思うけど静香もわからないんだからしょうがない。

「強いて言うなら目が違うんじゃないですかね?」

なんとか違いを見つけ出そうと二人を交互に見る。

「目?」

「はい、梗月さんは真っ直ぐで透き通ってて吸い込まれそうなキレイな目をしてます。」

梗月の目を見つめながら言うと、ちょっと恥ずかしそうな顔をして目を逸らされた。

「涼月さんは、一見キレイなんですけどねじまがってて目の奥に黒いものが見えます。」

「は?」

目をまんまるくして引いた涼月さん。

「素直な梗月さんにひねくれた涼月さん。性格が目に宿ってるとも言えます」

「ぶっ、くくくくく…」

真面目な顔でそこまで言うと、梗月が堪えきれなかったように吹き出した。

「静香ちゃん、それはひどいよ…」

拗ねたようにしょんぼりする涼月を見て余計に可笑しかったのか笑いが大きくなる。

「あっはっはっは~、静香くん最高だよ!涼、そんなこと初めて言われたな?くくくっ…」

お腹を抱えて笑う梗月を初めて見たかもしれない。
嬉しくなって静香は遠慮がちに笑った。

涼月さんには悪いけどホントにそう思ったんだもん。

涼月は怒ったりはしなかったけど、目を細くして静香と梗月を睨みプンプンしながらご飯を食べてた。
そんな様子も可笑しくて梗月と目を合わせて笑った。
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