W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
そろそろ帰らないと電車が無くなるからと帰ろうとすると、ほろ酔いの涼月がとんでもないことを言う。
「え~まだいいじゃん。せっかくだから泊まってけば?あ、俺がいる間一緒に泊まるってのはどお?」
「な、何言ってるんですか!そんなことできません」
思いのほか楽しい時間を過ごせたけど、社長の家に、しかもイケメン双子とずっと一緒だなんて自分の身が持たない。
「静香くん、もう時間も遅い。今日はタクシーで帰りなさい」
タクシーを呼ぼうとする梗月を慌てて止める。
「梗月さん、大丈夫です。まだ電車走ってますしたった二駅ですから」
静香の住んでるマンションはここから二駅の女性専用のワンルームマンション。歩いても帰れる距離にある。
「だめだよ、こんな遅くに女の子を一人で歩かせるわけにはいかない」
そう言ってタクシーを呼んで「下まで送る」とさっさと玄関に行ってしまった。
「あっ梗月さん、待ってください!じゃあ、涼月さんまた明日!」
「はいは~い、静香ちゃんまたね~」
ちょっと眠そうな涼月はソファーの上で手をひらひらさせて見送ってくれた。
玄関に行くと待っていてくれた梗月に一緒に下まで送ってもらった。
「梗月さん、今日はありがとうございました。楽しかったです」
エレベーターの中でお礼を言うと、憂いを含んだ目で見降ろしてきて、ドキッとする。
「お礼を言うのはこちらの方だよ。料理もおいしかったし、久々に涼月とも楽しい時間が過ごせた。静香くんがいてくれたおかげだ。ありがとう」
「涼月さんと何かあったんですか?仲よさそうに見えますけど…」
憂い顔と言葉が結びつかなくて、前澤副社長に二人は仲が悪いと聞かされていたし不思議に思った。
「…別に、何がある訳ではないよ。さすがにこの歳になると男兄弟なんて疎遠になるのが当たり前だろう…」
梗月の横顔を見て、何か含んでるような表情にますますわからなくなる。
「それより、静香くんは涼月と写真を撮って僕とは撮ってくれないんだね…」
「えっ!?」
ロビーに着いた頃、こちらを見ずに突然そんなことを言い出してびっくりして固まる。
促されるようにロビーに進むとまだタクシーは着いていないようで、傍らにあるソファーに誘導された。
「あ、あの…」
ホントは梗月とも写真を撮りたかったけど言い出せなくて3人で撮ったのでいいかと思っていた。
「梗月さんとも写真撮りたいです。一緒にとってくれませんか?」
恐る恐る梗月の様子を見ながら言うと、まじまじと静香の顔を見てフッと自嘲気味に笑った。
「もしかして、お情けで言ってる?」
「ち、違います!さっきは言い出せなかっただけで…」
ちょっと意地悪そうな顔で言うからムッとして言い返した。
「ごめんごめん、冗談だよ。じゃあ、一緒に撮ろう」
苦笑いして、せっかくだからとカウンターにいるコンシェルジュに写真を撮ってくれるように頼んでくれた。
静香のスマホを渡して、座った状態で梗月は静香の肩を組んで引き寄せカメラに目を向ける。
「はい、では撮りますよ。はいチーズ~」
ありがとうございます!と受け取ったスマホに嬉しくって舞い上がってしまう。
そうしているうちに写真を確認する前にタクシーが来て、お礼もそこそこに梗月にタクシーに乗せられ、「じゃ、また明日」と一言言われ出発してしまった。
後ろを振り向くと、見送ってくれる梗月の姿。それも角を曲がって見えなくなった。
「はあ~~」
大きなため息をついて前を向くと手には先ほどスマホ。
写真を見てみるとにっこり笑った梗月と恥ずかしそうにはにかむ自分。
意外と顔が近くて写真を見ただけでドキドキする。
梗月にもお礼の言葉と一緒に写真を送った。
今日は嬉しいことがいっぱいあって盆と正月がいっぺんに来たみたいだ。
宝物も出来てこれを見て毎日がんばれそう、と頬が緩みっぱなしで写真を見つめた。
「え~まだいいじゃん。せっかくだから泊まってけば?あ、俺がいる間一緒に泊まるってのはどお?」
「な、何言ってるんですか!そんなことできません」
思いのほか楽しい時間を過ごせたけど、社長の家に、しかもイケメン双子とずっと一緒だなんて自分の身が持たない。
「静香くん、もう時間も遅い。今日はタクシーで帰りなさい」
タクシーを呼ぼうとする梗月を慌てて止める。
「梗月さん、大丈夫です。まだ電車走ってますしたった二駅ですから」
静香の住んでるマンションはここから二駅の女性専用のワンルームマンション。歩いても帰れる距離にある。
「だめだよ、こんな遅くに女の子を一人で歩かせるわけにはいかない」
そう言ってタクシーを呼んで「下まで送る」とさっさと玄関に行ってしまった。
「あっ梗月さん、待ってください!じゃあ、涼月さんまた明日!」
「はいは~い、静香ちゃんまたね~」
ちょっと眠そうな涼月はソファーの上で手をひらひらさせて見送ってくれた。
玄関に行くと待っていてくれた梗月に一緒に下まで送ってもらった。
「梗月さん、今日はありがとうございました。楽しかったです」
エレベーターの中でお礼を言うと、憂いを含んだ目で見降ろしてきて、ドキッとする。
「お礼を言うのはこちらの方だよ。料理もおいしかったし、久々に涼月とも楽しい時間が過ごせた。静香くんがいてくれたおかげだ。ありがとう」
「涼月さんと何かあったんですか?仲よさそうに見えますけど…」
憂い顔と言葉が結びつかなくて、前澤副社長に二人は仲が悪いと聞かされていたし不思議に思った。
「…別に、何がある訳ではないよ。さすがにこの歳になると男兄弟なんて疎遠になるのが当たり前だろう…」
梗月の横顔を見て、何か含んでるような表情にますますわからなくなる。
「それより、静香くんは涼月と写真を撮って僕とは撮ってくれないんだね…」
「えっ!?」
ロビーに着いた頃、こちらを見ずに突然そんなことを言い出してびっくりして固まる。
促されるようにロビーに進むとまだタクシーは着いていないようで、傍らにあるソファーに誘導された。
「あ、あの…」
ホントは梗月とも写真を撮りたかったけど言い出せなくて3人で撮ったのでいいかと思っていた。
「梗月さんとも写真撮りたいです。一緒にとってくれませんか?」
恐る恐る梗月の様子を見ながら言うと、まじまじと静香の顔を見てフッと自嘲気味に笑った。
「もしかして、お情けで言ってる?」
「ち、違います!さっきは言い出せなかっただけで…」
ちょっと意地悪そうな顔で言うからムッとして言い返した。
「ごめんごめん、冗談だよ。じゃあ、一緒に撮ろう」
苦笑いして、せっかくだからとカウンターにいるコンシェルジュに写真を撮ってくれるように頼んでくれた。
静香のスマホを渡して、座った状態で梗月は静香の肩を組んで引き寄せカメラに目を向ける。
「はい、では撮りますよ。はいチーズ~」
ありがとうございます!と受け取ったスマホに嬉しくって舞い上がってしまう。
そうしているうちに写真を確認する前にタクシーが来て、お礼もそこそこに梗月にタクシーに乗せられ、「じゃ、また明日」と一言言われ出発してしまった。
後ろを振り向くと、見送ってくれる梗月の姿。それも角を曲がって見えなくなった。
「はあ~~」
大きなため息をついて前を向くと手には先ほどスマホ。
写真を見てみるとにっこり笑った梗月と恥ずかしそうにはにかむ自分。
意外と顔が近くて写真を見ただけでドキドキする。
梗月にもお礼の言葉と一緒に写真を送った。
今日は嬉しいことがいっぱいあって盆と正月がいっぺんに来たみたいだ。
宝物も出来てこれを見て毎日がんばれそう、と頬が緩みっぱなしで写真を見つめた。