W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
火曜日の朝、いつものように社長宅へ行くと、ベッドに今日はちゃんと寝てる。

「梗月さん、おはようございます。起きてください!」

言いながら布団を剥ぐとそこには涼月が寝ていてガックリ。

「涼月さん‥‥」

「んん・・・ああ、静香ちゃんおはよ・・・」

寝ぼけ顔でむっくり起き上がる涼月。

「ゲストルームがあるのになんで涼月さんがここで寝てるんですか!?梗月さんはどこですか?」

この家にはゲストルームが3つもある。広い家なのになぜここに?

「んん~なんでだろ~」

眠そうな顔で肩をすくめる涼月に思わず呆れ顔。

「もう、いいですから。早く着替えてください!」

涼月を置いてリビングに行くとソファーの背もたれに背を預けて寝ているような梗月の姿がある。
最近ちゃんとベッドに寝ているところを見たことが無い気がする。

「梗月さん起きてください!またこんなところに寝てるなんて!」

横に座って肩を揺り動かすと、ぬっと腕が伸びてきて抱き締められてしまった。

「なっ梗月さん!?」

「うん…あったかい…」

静香の首筋に顔をうずめ耳元で言われ、思わずゾクッとしてしまう。
顔を熱くしながらも背中をバンバン叩いて何とかもがく。

「梗月さん!ちゃんと起きてください!」

「おはよう、静香くん」

意外とはっきりした口調で手を離した梗月に呆気にとられる。

「も、もしかして起きてました?」

「うん、一回起きて座っていたらうたた寝してたみたいだ」

「…で、またソファーに寝てたとか?」

にっこり笑う梗月に脱力。もう何も言うまい…。

「もう…、早く支度してください」

「はあい」

ちょっと含み笑いで間の抜けた返事をして梗月は出て行った。

朝から疲れ気味でご飯を用意しているとスーツを着て二人が戻ってきた。
涼月は梗月のスーツを借りて着ている。
これはまた、ますますそっくりな二人。



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