W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
2台のタクシーに乗り込み行きつけの料亭に向かう。
先のタクシーに乗ったのは梗月、涼月、奈津子。
静香と前澤副社長は後ろのタクシーに乗った。
料亭に着くまでの間、前澤副社長に3人の関係を聞いた。
城ヶ崎奈津子、梗月たちの2つ年上の30歳。
城ヶ崎建設の一人娘で、彼女も一級建築士の資格を持ち最近までアメリカで活躍してたらしい。
お金持ちで美人で非の打ち所のない才女。
お父様の城ヶ崎社長と本郷社長がご学友で前澤副社長は二人の後輩。
梗月たちは幼いころから会ってる幼馴染だそうだ。
城ヶ崎社長と本郷社長は自分の子供たちを結婚させて将来会社を統合させたいと考えてる。
その奈津子の将来の夫になるのは、涼月なのか梗月なのか…。
「奈津子さんは、どっちでもいいって言うんだ。同じ顔だからどちらと結婚しても構わないと…」
「そんな…」
どっちでもいいだなんて、完全に梗月と涼月の人格を無視している。
憤りを感じながら黙っていると、ため息をついて苦虫を噛み潰したような顔をする前澤副社長。
「これを君に行ってもいいものかわからないんだが…」
副社長が何か言いかけたところで料亭に着いてしまって、いったん話は頓挫した。
何を言いたかったのか気になるところだけど、タクシーを降りた梗月たちが神妙な面もちでいるからそれ以上聞けなかった。
通されたお座敷で奈津子、前澤副社長が並んで座り、涼月、梗月、静香と座る。
一人だけテンションの高い奈津子が一人でしゃべって、言葉少なに返事をする梗月に涼月。
前澤副社長が取り繕って、静香の事はガン無視。
雰囲気の悪い空間に美味しい料理も味気なく思ってしまう。
「で、どっちが私と結婚してくれるか決めた?私ももう30だからそろそろ結婚したいのよね。わざわざアメリカから帰ってきたんだし来年には結婚式を挙げたいんだけど。何なら二人とも私と結婚する?一人は正式な夫でもう一人は内縁の夫。これ、いい案じゃない?」
にこにこ顔でとんでもないことを言い出す奈津子に驚愕して食べかけてたお刺身をぽとりと落とした。
「何言ってんだよ、ふざけたこと言うな…」
怒りの込めた声を抑えるように涼月が呟く。
「あら、ふざけたことなんて言ってないわ。私は本気よ。二人とも私に夢中だったじゃない。これが最善の方策だと思うけど?」
悪びれもせず言いのけ、ワインを優雅に飲む奈津子に言葉も出ない。
「僕は、結婚はしないよ。もう二度と誰も愛さない…」
奈津子を見据え、真顔の梗月。
え、二度と誰も愛さないって…。
静香が呆然と梗月の横顔を見つめていると目が合った。
すぐに逸らされ無言でお酒をあおってる。
「な、何言ってるの?梗ちゃん」
奈津子のキレイな顔が一瞬にして歪んだ。
何か言いたげに梗月を見やる涼月がとんでもないことを言い出した。
「俺は・・、他に結婚したい人がいる。だから奈津子とは結婚できない」
「は?何それ?二人ともふざけないで!」
目くじらを立てて怒る奈津子。
おお怖っ!
「結婚しないとか、結婚したい人がいるとか!私を差し置いて!どうせ口から出まかせでしょ?」
先のタクシーに乗ったのは梗月、涼月、奈津子。
静香と前澤副社長は後ろのタクシーに乗った。
料亭に着くまでの間、前澤副社長に3人の関係を聞いた。
城ヶ崎奈津子、梗月たちの2つ年上の30歳。
城ヶ崎建設の一人娘で、彼女も一級建築士の資格を持ち最近までアメリカで活躍してたらしい。
お金持ちで美人で非の打ち所のない才女。
お父様の城ヶ崎社長と本郷社長がご学友で前澤副社長は二人の後輩。
梗月たちは幼いころから会ってる幼馴染だそうだ。
城ヶ崎社長と本郷社長は自分の子供たちを結婚させて将来会社を統合させたいと考えてる。
その奈津子の将来の夫になるのは、涼月なのか梗月なのか…。
「奈津子さんは、どっちでもいいって言うんだ。同じ顔だからどちらと結婚しても構わないと…」
「そんな…」
どっちでもいいだなんて、完全に梗月と涼月の人格を無視している。
憤りを感じながら黙っていると、ため息をついて苦虫を噛み潰したような顔をする前澤副社長。
「これを君に行ってもいいものかわからないんだが…」
副社長が何か言いかけたところで料亭に着いてしまって、いったん話は頓挫した。
何を言いたかったのか気になるところだけど、タクシーを降りた梗月たちが神妙な面もちでいるからそれ以上聞けなかった。
通されたお座敷で奈津子、前澤副社長が並んで座り、涼月、梗月、静香と座る。
一人だけテンションの高い奈津子が一人でしゃべって、言葉少なに返事をする梗月に涼月。
前澤副社長が取り繕って、静香の事はガン無視。
雰囲気の悪い空間に美味しい料理も味気なく思ってしまう。
「で、どっちが私と結婚してくれるか決めた?私ももう30だからそろそろ結婚したいのよね。わざわざアメリカから帰ってきたんだし来年には結婚式を挙げたいんだけど。何なら二人とも私と結婚する?一人は正式な夫でもう一人は内縁の夫。これ、いい案じゃない?」
にこにこ顔でとんでもないことを言い出す奈津子に驚愕して食べかけてたお刺身をぽとりと落とした。
「何言ってんだよ、ふざけたこと言うな…」
怒りの込めた声を抑えるように涼月が呟く。
「あら、ふざけたことなんて言ってないわ。私は本気よ。二人とも私に夢中だったじゃない。これが最善の方策だと思うけど?」
悪びれもせず言いのけ、ワインを優雅に飲む奈津子に言葉も出ない。
「僕は、結婚はしないよ。もう二度と誰も愛さない…」
奈津子を見据え、真顔の梗月。
え、二度と誰も愛さないって…。
静香が呆然と梗月の横顔を見つめていると目が合った。
すぐに逸らされ無言でお酒をあおってる。
「な、何言ってるの?梗ちゃん」
奈津子のキレイな顔が一瞬にして歪んだ。
何か言いたげに梗月を見やる涼月がとんでもないことを言い出した。
「俺は・・、他に結婚したい人がいる。だから奈津子とは結婚できない」
「は?何それ?二人ともふざけないで!」
目くじらを立てて怒る奈津子。
おお怖っ!
「結婚しないとか、結婚したい人がいるとか!私を差し置いて!どうせ口から出まかせでしょ?」