W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
翌朝、美味しい朝食を頂き満足しながらホテルを出た。
その後ドライブを楽しみながら、時々オシャレなカフェや綺麗な花が咲く公園に立ち寄り、中心街へと戻る。
ビル街の一際大きなビルの前にスッと止まると上を見上げながら涼月が言った。
「ここが本郷グループ本社。静香ちゃん来たことないだろ?」
「ここが…。はい、初めてきました」
首が痛くなりそうな高いビルを見上げる。
今日は日曜日なので人の出入りはほとんどない。
そのまままた走り出し、涼月が口を開く。
「ねえ、静香ちゃん。俺の秘書にならない?」
「ええ?」
ビックリして涼月の横顔を見つめる。
「俺たち結婚するんだし、梗の傍にずっといられないだろ?」
「あ、あの、そのことなんですが…。この話は…」
「無かったことにはしないよ。静香ちゃん、俺たちは結婚するんだ。」
「そ、そんな決めつけないでください」
焦って何とか説得しようと言葉を探すが何も出てこず悶々としていると、どこかのビルの地下駐車場に着いた。
「さ、着いた。降りて静香ちゃん」
促されるまま降りて付いていくとエレベーターの乗り込み最上階のボタンを押す涼月。
黙ったままの涼月に何も言えず、着いた先はマンションの部屋だった。
「ここは?」
「俺の部屋、さ、入って」
鍵を開けおずおずと入っていき先を行く涼月に着いてリビングに入ると、白と黒の洗練された部屋は梗月の部屋より倍は広くオシャレで、そして何より眺めのいい景色が飛び込んできた。
思わず窓まで進むと、快晴の空と立ち並ぶビル街。下はまるでミニチュアのような車や人。
さすが32階。そしてこの部屋。涼月は御曹司なんだとなぜか頭をかすめた。
外に見入っていると、後ろからふわりと抱きしめられて慌てた。
「りょ、涼月さん?」
何とかもがいて離れようとしたけどより強く抱きしめられ、肩に顎を乗せられ、近くにある息遣いにドキドキして固まってしまった。
「静香ちゃん、梗月の事が好きだろ?」
「…!」
叫びそうになって口を押えたがびくっと反応してしまい、言葉は無くても肯定したようになった。
「でも、梗は?あいつは静香ちゃんの事どう思っている?」
「どうって…、ただの秘書としか…」
手を下しながら、項垂れるようにか細い声で答えた。
「だろ?それに、梗は結婚しないと言った。あいつも頑固だから言ったことは必ず貫くよ。梗は結婚しない。静香ちゃんはそれでも梗が好き?」
「そ、そんなこと…」
なんて言っていいのかわからなくて言葉が出ない。
「梗は、俺たちの事何か言っていた?」
昨日言われたことを思い出して目の前が歪む。
「涼月さんの事、前向きに考えてほしいって…」
項垂れたまま答えると抱きしめていた腕がほどけ肩を掴み正面を向かされた。
「だろ?梗は俺と静香ちゃんの結婚を望んでる。俺は静香ちゃんが好きだ。静香ちゃんと結婚して必ず幸せにする。」
「でも…」
顔を上げると涙が零れた。
「俺は、静香ちゃんを泣かしたりしない。大切にする」
真剣な顔の涼月。
頬を両手で包まれ親指で涙を拭われ近づいてくる唇。
瞼にキスをされ、何も考えられなくて大人しくしてると今度は唇にキスされた。
その時梗月の顔が急に浮かんできて両腕で涼月の胸を押し離れた。
「ご、ごめんなさい。時間を下さい。今日はもう帰ります」
胸を押したまま下を向き言うと、涼月の盛大なため息が聞こえた。
「はあ、解ったよ。今日はこれでおしまい。来週また来るまでに心を決めて。…送るよ」
「…すいません。」
「いや、俺も性急過ぎた。心の整理を付けてもう一度俺と会ってくれ。…いい返事を待ってる」
「…」
返事もできないまま、駅まで送ってもらい帰路に着いた。
何も考えられず、落ちていく夕闇に染まる空を見つめると梗月の顔が浮かんだ。
私はどうしたらいいの?
その後ドライブを楽しみながら、時々オシャレなカフェや綺麗な花が咲く公園に立ち寄り、中心街へと戻る。
ビル街の一際大きなビルの前にスッと止まると上を見上げながら涼月が言った。
「ここが本郷グループ本社。静香ちゃん来たことないだろ?」
「ここが…。はい、初めてきました」
首が痛くなりそうな高いビルを見上げる。
今日は日曜日なので人の出入りはほとんどない。
そのまままた走り出し、涼月が口を開く。
「ねえ、静香ちゃん。俺の秘書にならない?」
「ええ?」
ビックリして涼月の横顔を見つめる。
「俺たち結婚するんだし、梗の傍にずっといられないだろ?」
「あ、あの、そのことなんですが…。この話は…」
「無かったことにはしないよ。静香ちゃん、俺たちは結婚するんだ。」
「そ、そんな決めつけないでください」
焦って何とか説得しようと言葉を探すが何も出てこず悶々としていると、どこかのビルの地下駐車場に着いた。
「さ、着いた。降りて静香ちゃん」
促されるまま降りて付いていくとエレベーターの乗り込み最上階のボタンを押す涼月。
黙ったままの涼月に何も言えず、着いた先はマンションの部屋だった。
「ここは?」
「俺の部屋、さ、入って」
鍵を開けおずおずと入っていき先を行く涼月に着いてリビングに入ると、白と黒の洗練された部屋は梗月の部屋より倍は広くオシャレで、そして何より眺めのいい景色が飛び込んできた。
思わず窓まで進むと、快晴の空と立ち並ぶビル街。下はまるでミニチュアのような車や人。
さすが32階。そしてこの部屋。涼月は御曹司なんだとなぜか頭をかすめた。
外に見入っていると、後ろからふわりと抱きしめられて慌てた。
「りょ、涼月さん?」
何とかもがいて離れようとしたけどより強く抱きしめられ、肩に顎を乗せられ、近くにある息遣いにドキドキして固まってしまった。
「静香ちゃん、梗月の事が好きだろ?」
「…!」
叫びそうになって口を押えたがびくっと反応してしまい、言葉は無くても肯定したようになった。
「でも、梗は?あいつは静香ちゃんの事どう思っている?」
「どうって…、ただの秘書としか…」
手を下しながら、項垂れるようにか細い声で答えた。
「だろ?それに、梗は結婚しないと言った。あいつも頑固だから言ったことは必ず貫くよ。梗は結婚しない。静香ちゃんはそれでも梗が好き?」
「そ、そんなこと…」
なんて言っていいのかわからなくて言葉が出ない。
「梗は、俺たちの事何か言っていた?」
昨日言われたことを思い出して目の前が歪む。
「涼月さんの事、前向きに考えてほしいって…」
項垂れたまま答えると抱きしめていた腕がほどけ肩を掴み正面を向かされた。
「だろ?梗は俺と静香ちゃんの結婚を望んでる。俺は静香ちゃんが好きだ。静香ちゃんと結婚して必ず幸せにする。」
「でも…」
顔を上げると涙が零れた。
「俺は、静香ちゃんを泣かしたりしない。大切にする」
真剣な顔の涼月。
頬を両手で包まれ親指で涙を拭われ近づいてくる唇。
瞼にキスをされ、何も考えられなくて大人しくしてると今度は唇にキスされた。
その時梗月の顔が急に浮かんできて両腕で涼月の胸を押し離れた。
「ご、ごめんなさい。時間を下さい。今日はもう帰ります」
胸を押したまま下を向き言うと、涼月の盛大なため息が聞こえた。
「はあ、解ったよ。今日はこれでおしまい。来週また来るまでに心を決めて。…送るよ」
「…すいません。」
「いや、俺も性急過ぎた。心の整理を付けてもう一度俺と会ってくれ。…いい返事を待ってる」
「…」
返事もできないまま、駅まで送ってもらい帰路に着いた。
何も考えられず、落ちていく夕闇に染まる空を見つめると梗月の顔が浮かんだ。
私はどうしたらいいの?