W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
秘書室に連れられ秘書の皆さんに挨拶をしていろいろ説明を受けて、静香は坂巻に付いて仕事をこなした。
エフラインでの仕事とあまり変わりはしなかったけど、やはり本社だけあって扱う案件が多種多様で目の回る忙しさ、あっという間に時間が過ぎた。
そして、終業時間を少し過ぎた後、緊張気味な静香は涼月に連れられて、今、有名な高級フレンチの店の前に立っている。
涼月の父、本郷社長と会食をするためだ。
社長は忙しく会えるのが今日の夜しかないということだった。
「本郷家の全権はじい様が持っている。だから親父に会うのにそんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「で、でも、やっぱり緊張します~」
情けない声を出す静香をフフッと笑って、エスコートしながら中へ入った。
店の奥、ゆったりとした個室には、本郷社長と、50代位の綺麗な女性が待っていた。
「父さん、母さん、こちらが新村静香さん」
「は、はじめまして」
「はじめまして、涼月の父親の春月です。こちらは妻のすみれ」
「よろしくね。可愛らしいお嬢さんね。梗月の秘書をしてるそうね?梗月は元気?あの子あんまり帰ってきてくれないから心配で」
優しそうに微笑み、梗月を心配する母のすみれ。
「は、はいよろしくお願いします。梗月さんは元気にしています。本を読みだすと寝るのも忘れて読みふけってますけど…」
「まあ、今でもそうなの?あの子朝が弱いのに遅刻なんてして会社に迷惑かけてないかしら?」
「それは、私が毎日起こしに行ってるので大丈夫です!」
「あら、そうなの?」
「梗の話はいいから!とりあえず座ろう」
にこにこ笑うすみれと梗月談義に花が咲きそうなのを涼月に止められ、まだ立ったままの静香に、涼月が椅子を引き素直に座った。
「君は梗月の秘書をしているのに、なぜ涼月と結婚を?梗月とは何も無いのかい?」
「それは…」
「俺が静香ちゃんに一目ぼれしたの!梗は一生結婚しないって言ってるし、そうじゃなかったらこんなかわいい子ほっとくわけないだろ?」
言い淀む静香の言葉を遮るように涼月が言うと、何かを探るように静香を見つめる父の春月。
静香は居たたまれなくて下を向いてしまった。
「梗月は結婚しないなんて言ってるの?」
心配そうな声を上げるすみれ。
「そうだよ、あいつ、何蟠ってるか知らないけど頑なにそう言っていた。たぶん母さんたちが何言っても聞かないよ」
「梗月も頑固なところがあるからな…。ただ、奈津子ちゃんが納得するかな?」
「奈津子の事は関係ないだろ!?いい加減、城ヶ崎家と姻戚関係結ぼうだなんて考えやめろよな!」
明らかに動揺を見せた涼月は大きな声を出して給仕に来てくれたウェイトレスがびっくりして固まっていた。
「別に、姻戚関係を結びたいだけでそう言ってるわけじゃない。お前たちを見ていてそうした方がいいのではと思っているだけだよ」
「なんだよそれ」
不貞腐れた涼月が入れてもらったワインを一気飲みした。
様子を窺うしかできない静香は黙って聞いていた。
エフラインでの仕事とあまり変わりはしなかったけど、やはり本社だけあって扱う案件が多種多様で目の回る忙しさ、あっという間に時間が過ぎた。
そして、終業時間を少し過ぎた後、緊張気味な静香は涼月に連れられて、今、有名な高級フレンチの店の前に立っている。
涼月の父、本郷社長と会食をするためだ。
社長は忙しく会えるのが今日の夜しかないということだった。
「本郷家の全権はじい様が持っている。だから親父に会うのにそんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「で、でも、やっぱり緊張します~」
情けない声を出す静香をフフッと笑って、エスコートしながら中へ入った。
店の奥、ゆったりとした個室には、本郷社長と、50代位の綺麗な女性が待っていた。
「父さん、母さん、こちらが新村静香さん」
「は、はじめまして」
「はじめまして、涼月の父親の春月です。こちらは妻のすみれ」
「よろしくね。可愛らしいお嬢さんね。梗月の秘書をしてるそうね?梗月は元気?あの子あんまり帰ってきてくれないから心配で」
優しそうに微笑み、梗月を心配する母のすみれ。
「は、はいよろしくお願いします。梗月さんは元気にしています。本を読みだすと寝るのも忘れて読みふけってますけど…」
「まあ、今でもそうなの?あの子朝が弱いのに遅刻なんてして会社に迷惑かけてないかしら?」
「それは、私が毎日起こしに行ってるので大丈夫です!」
「あら、そうなの?」
「梗の話はいいから!とりあえず座ろう」
にこにこ笑うすみれと梗月談義に花が咲きそうなのを涼月に止められ、まだ立ったままの静香に、涼月が椅子を引き素直に座った。
「君は梗月の秘書をしているのに、なぜ涼月と結婚を?梗月とは何も無いのかい?」
「それは…」
「俺が静香ちゃんに一目ぼれしたの!梗は一生結婚しないって言ってるし、そうじゃなかったらこんなかわいい子ほっとくわけないだろ?」
言い淀む静香の言葉を遮るように涼月が言うと、何かを探るように静香を見つめる父の春月。
静香は居たたまれなくて下を向いてしまった。
「梗月は結婚しないなんて言ってるの?」
心配そうな声を上げるすみれ。
「そうだよ、あいつ、何蟠ってるか知らないけど頑なにそう言っていた。たぶん母さんたちが何言っても聞かないよ」
「梗月も頑固なところがあるからな…。ただ、奈津子ちゃんが納得するかな?」
「奈津子の事は関係ないだろ!?いい加減、城ヶ崎家と姻戚関係結ぼうだなんて考えやめろよな!」
明らかに動揺を見せた涼月は大きな声を出して給仕に来てくれたウェイトレスがびっくりして固まっていた。
「別に、姻戚関係を結びたいだけでそう言ってるわけじゃない。お前たちを見ていてそうした方がいいのではと思っているだけだよ」
「なんだよそれ」
不貞腐れた涼月が入れてもらったワインを一気飲みした。
様子を窺うしかできない静香は黙って聞いていた。