W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
そこで挨拶をして別れ、静香たちは帰路についた。

車の中、梗月が心配で様子を窺いながら聞いた。

「梗月さん、連日のように長距離運転で疲れてませんか?」

「ん?大丈夫だよ。長距離と言ってもペンションから1時間くらいだし。休み休み行けば5時間もそう辛くない」

前を見たまま返事をする梗月に、恥ずかしい思いをしながら言ってみた。

「でも、昨日、というか今日もほとんど寝てないじゃないですか…」

「・・・」

梗月は何も言わず黙ってしまった。
やっぱり言うんじゃなかったと羞恥心に襲われ手で顔を覆う。
その手をやんわりと掴まれ、指を絡めるように手を繋がれた。

「静香、僕は今でも静香を取り戻したことが嬉しくて眠気なんてどこかへ行ってしまってるよ。実はけっこう体力あるんだ。心配ない」

そうにっこり笑って繋いだ手を引き寄せ、静香の手の甲にキスをした。

「静香、愛しているよ。これからはいつも一緒だ。何があろうと離さないから覚悟しとけよ」

妖艶に笑い横目で見てくる梗月に、どくんと心臓が跳ね胸を押さえた。
胸の鼓動を感じながら梗月に笑いかけた。

「梗月さん、愛してます。私も絶対離れませんから覚悟してくださいね」

ドキドキとしながら返した言葉に満足したように笑い梗月はまた手の甲にキスをする。

絶対離さない。
たとえ不幸が訪れようとも…。

どんなことがあろうときっと二人なら乗り越えられるから。

車窓から見える星空を見ながら固く誓った。





FIN
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