身代わり令嬢に終わらない口づけを
「でも、ごめんなさい。そのせいでローズが大変な目にあっていたのね」

「そ……そうなんです! よかった、みつかって。明後日はもう、お嬢様の結婚式ですよ!」

「困ったわねえ」

「困っているのはこっちですよ!」

 噛みつくようなローズの言葉に、ふう、とベアトリスはため息をついた。


「私さえいなくなれば、この結婚はなくなると思っていたの。でも、まさかお父様がローズをそのまま替え玉にしていたなんて知らなくって……迷惑をかけてしまったわね」

「もういいんですよ。だから、私と一緒にカーライル公爵のお屋敷に帰りましょう」
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