身代わり令嬢に終わらない口づけを
 ソフィーは、安堵したように笑みを浮かべた。

「奥様は、お優しいのですね」

(そうよ。お嬢様は本当にお優しいし、良い方なの)

 まるでソフィーにベアトリスを褒められたみたいで、ローズは嬉しくなって微笑んだ。

 長い立ち話になってしまったことに気づいて、ソフィーはワゴンに手をかける。

「このサロンのカギはいつでも開けておきますので、また素敵な音を聴かせてくださいまし。お茶は、お庭で召し上がられますか?」

 ローズが振り返ってみてみると、確かにサロンのテラスにもテーブルが置いてある。

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