年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
大宮自身も熱心な奴で、教えることすべてを瞬く間に吸収し、そろそろ独り立ちしていいな、などと考えていた矢先。

「柏原(かしはら)課長。
俺と付き合ってくれませんか?」

「は?
どこに?」

出先からの帰りが遅くなり、ふたりっきりの部署内。
唐突に大宮の口から出た言葉に顔を上げた。

きっとこのとき、私は思いっきり間抜けな顔をしていたに違いない。
鳩が豆鉄砲を食らった顔を表現しなさい、って問題だったらきっと、百点満点だったと思う。

「いや、そういう意味じゃなくてですね。
あ、そういうところも可愛いんですけど」

「は?
可愛い?
誰が?」

にっこりと笑ってそんなことを言う大宮に混乱はさらに混乱を呼び、手にしていたシャーペンをつい、くるくると回してしまう。
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