大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
予約制だからか、待っている人はほとんどいない。
全部埋めて、受付嬢に渡す。

「ありがとうございます。
では、しばらくお待ちください」

「はい」

ソファーに座っている段階で心臓がばくばくいっている。
診察室から響く、キュィーンって機械音だけでびくりと肩が跳ねる。

「都築(つづき)さーん」

「ひゃぁっ」

うっ、奇声を発してしまった。

「……?
都築さん、診察室にどうぞ」

「……はい」

ドナドナが頭の中でヘビーローテーション。
ええ、市場に連れて行かれる子牛の気分です。
診療の椅子に座って、衛生士さんが器具をがちゃがちゃと準備する音も、置かれたコップにじゃーっと水が入る音も、ドナドナを盛り上げてくださいます。
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