彼氏ってなんですか?

[あの、日曜日のことなんですけど...]
私は、唐突に本題に入る。

(待ってなんていられるか。)

[あ、明後日?決まった決まった!
任せといて!ばっちり!]

余裕の笑みを見せる彼。

[あ、どうも...
あーでも、本当に悪いんですけど、
私、用事が出来て...今回は
お断りさせて頂きたいんですけど...]

私は、丁重に断わった。

[用事って?どんな?
結婚式?法事?どうしても
行かなきゃならないやつ?]

急に、質問攻め。

[えっと...]

私は言葉に詰まった。

[なんだ。嘘か。]

彼は、鋭い...

[いや、その...]

私は、まだ言い訳を考えていた。

[正直ですね、柚杏さんは。
でも、今回ばかりは、譲れないんです。俺だって。
とりあえず、不安かもしれないけど
楽しみしていてください。]

そう言って、微笑み、私の頭を
ポンポンっと触れて、去っていった。

(急に敬語?
しかも、なんか、優しい...)

私は、不意な出来事に胸がざわついた。

でも、それがなんか...
嫌じゃなかった。


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