ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】

もつれた指で家の鍵を開ける。

シンシアを中へ引きずり込み、豊満なその体を玄関ドアに押し付けるようにして、唇をふさいだ。

<っ、ふ……ぁ、待って、落ち着いて……っあんっ……>

くすくすおかしそうに笑う声を、無我夢中で意識の外へと追いやりながら、自分と相手の服を剥いでいく。

<ねえ、ちゃんとベッドで抱いてほしいわ>

下着に手をかけたところで強請る様に言われ、大きく舌打ちしながらその体を抱き上げた。

蹴り飛ばすようにして寝室のドアを開け。


ベッドの上へ、放り出すように寝かせる。
ふぁさっと豊かな黒髪が白いシーツへ広がり、エロティックな景色を描いた。


その身体に乗り上げて、荒い息を整える。



<あなたの苦しみも悲しみも、わたしは全部知ってる……あなたにふさわしいのは、わたしよ>


その手に後頭部を引き寄せられ、唇を重ねた。

< 202 / 343 >

この作品をシェア

pagetop