ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】

首を掴まれ、激しくゆすぶられ。
窒息しそうな苦しさに喘ぎながら、目の前の男を見た。

「……んだよ、女くらい……今までだって散々……」

「バカかお前はっ!! 飛鳥さんはな、きっとまだっ……!」


きっと、まだ?


けれど拓巳は、僕を睨みつけたまま口を閉ざすと。
そのまま僕の身体を放り投げた。

「っげほっ……けほっ……」

みっともなく床に這い、息を整える。

わかってるさ。
自分がバカだってことくらい。


何もかもがみじめで、どうでもよかった。
放っといてほしかった。


「…………て、ないよ」

「は? なんだって?」



「抱いてない」


床を見つめて吐き捨てるように、投げやりに。
僕はつぶやいた。

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