ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
「あの時のお前は、どこへ行ったんだよ」
「え?」
目線の先にいたのは、あの夜と変わらない、不敵な笑みを浮かべる友だった。
「他人の女だろうと誰だろうと、自信満々で自分のものにしてきたライアン・リーはどこへ行ったんだよ。別の女で我慢する、なんて、全然お前らしくないだろう」
「っ……」
言葉を飲み込んで、視線を落とす。
一体今更、僕にどうしろって言うんだよ。
腹立たしい気持ちで床を睨む僕へ、剣のような言葉が真っすぐ、振り下ろされた。
「奪え」
あ然として、目の前の男を見つめた。
うばう……だって?