ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
「、ぁっ……っや、……」
私のすべてを食べつくそうとするかのように、口づけはその激しさと深さを増していく。
こぼれる吐息すら飲み干され。
息苦しさに喘ぎ、目尻に涙が滲んでも。
彼は容赦なかった。
濡れた舌の感触と、響く水音。
呼応するように身体の奥に灯る、淫らな熱――
ビクビクっと腰を揺らした私を見下ろし、わずかに唇を離した彼が、満足そうに口角を上げた。
「も、もう許し、……ンぅっ……んん、」
果てしなく貪られて。
頭が、くらくらする……
キスしかしてないのに。
まるで激しいセックスの後みたいに、
もう――意識が飛びそう……
優しく頭を撫でる手に気づいて、うっすら瞼を開ける。
「愛してるよ……飛鳥」
霞む視界で、胸を衝くような切なげな眼差しが、私を見下ろしていた。