ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
「ひゃひゃくって……まさかそんなっ、あるわけないじゃないですか!」
ブンブン首を振って、否定する飛鳥に対して。
「いや、100パーは無理だけど、8割は行くかもですよ。おれ、追跡調査したことあるんで、確かです」
「あ、わたしの知り合いも飛鳥マジックです! 彼氏いない歴28年からの大逆転っ」
亮介と南波が、自慢そうにアピールする。
<何、その飛鳥マジックって?>
サムがちょいちょいと僕の服を引っ張るものだから、簡単に説明していると。
「お願いしまっす! うちの大河原に、ぜひお相手を見つけてやってくださいよぉ!」
「何言ってるんだお前は! 飲みすぎだぞ!」
大河原が、居心地悪そうに樋口を睨んだ。
「だいたいおれはもうそんな、恋愛なんて年じゃないし、興味もないし――」
「ノン! それはもったいない!」
大げさに割って入ったのは、サム――我が友人である。