ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
女の悲鳴……ラムと、南波?
今、飛鳥って言った――?
身体が勝手に、動いていた。
矢倉の身体を突き飛ばすようにして放し。
声を頼りに廊下を駆ける。
角を曲がるたび、次第にざわめきが大きくなっていく。
「救急車!」
「早く、電話!」
「動かさない方がっ!」
ぶわりと、不安が胸の内に膨れ上がる。
足を速め、もう一つ角を曲がる。
見覚えのある場所へ出て――……ざぁっと全身の血が音を立てて引いていく。
思考回路が、はじけ飛ぶ。
飛鳥が、倒れていた。