ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
18. 打ち上げ、その後①~飛鳥side
――飛鳥……飛鳥……
――愛してるよ。
――愛してる。
――君だけを、愛してるよ。
降ってくる、軽やかなキス。
包み込む腕が、愛おしい。
うん。うん、わかってる。
私も、私もね、同じ気持ち。
だから。
もうずっと、離さないで。
ずっとずっと、そばにいて――……
なんとか瞼を押し開けると、シンプルな白い天井が視界に広がった。
ぼんやりした頭のまま見回せばそこは、6畳ほどの寝室。
備え付けのオーソドックスな白いデスクと本棚は、がらんとして物が少なく、いかにも仮住まいといった雰囲気で。
自分が契約したウィークリーマンションの一室だってことは、間違いない。
私、どうしたんだっけ?
ズキズキ痛む頭を振りながら、起き上がる。
着ているのは、部屋着にしてるスウェットの上下だ。
自分で……着替えた?
記憶が途切れていて、うまくつながらない。
厚いカーテンの隙間からは明るい陽が差してて……もう昼間みたい。
でも私は、ええと、オオタフーズの打ち上げだったのよね。
銀座で、みんなと夕食を……
どうやって帰ってきたの?