ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
僕――ライアン・リーのフィアンセ真杉飛鳥は、ツンデレである、と思う。
(ほんとに、日本語というのは微妙な表現が多いが、それを理解できた時の快感はたまらないと感じる今日この頃である)
人前ではハグもさせてくれないし。
キスなんかしようものなら、めちゃくちゃ怒る。
――ここは日本なの。TPOを考えてよっ!
そして、腕の中から小鳥のようにひらりと、逃げてしまう。
でも恋しい人に触れたいって思うのは、ごく当然のことだと思うんだ。
信号待ち中だから、買い物途中だから、といって愛が減るわけじゃない。
それって、僕が外国人だから特別、ってことでもないだろう?
最初のうちは、彼女との距離感を掴みかねて、不満に思うことがないわけじゃなかった。
でも、不自然に泳ぐ瞳や、わずかに紅くなった頬、全然痛くないパンチ……
つきあううちに、段々わかってきた。
彼女が本気で嫌がっているわけじゃないことを。
ようするに彼女はとてもシャイで、甘えることが苦手なのだ。
気づいてしまえば、彼女のそんなツンな所も愛しいだけだ。
だから僕は決めた――容赦しないと。
僕は僕のセオリーで愛していけばいいだけのことだ。
容赦なく甘やかして愛して、僕なしでは生きていけないくらい、僕に溺れさせるから。
ねえ飛鳥、君はずっと、僕だけのものだ。
いいだろ?
強請るように、わずかに緩んだ唇へ口づけた。
まったく……
この僕が、まさかたった一人の女性にここまで夢中になるなんて。
出会ってたった半年で、プロポーズまでしてしまうなんて。
一体だれが想像しただろうか――