dirty tear
「話しかけたのに無視した」と男子が言い、私は「本を読んでいると、何も聞こえなくなる」と説明しましたが、理解されませんでした。

友達に「好きなことに集中すると、周りの音が聞こえなくなる?」と訊いたことがあります。みんな「ちゃんと聞こえる」と言っていました。

この時点で私は普通ではなかったのです。しかし、それを認めるのが怖くて私は考えることをやめていました。

思い返せば、私は本当に普通ではありませんでした。大切な係の仕事を忘れたり、当番を忘れたり、先生の言っていたことを忘れたりーーー。

どうして忘れてしまうことが多いのか。それを知るのは、私が中学三年生になった時でした。
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