dirty tear
それについて私は調べました。口に袋を当てて呼吸を戻す方法は、以前はよく使われていましたが、実は危険な行為だそうです。亡くなった人もいるそうです。

私はこのことを親に言いましたが、聞く耳を持ってくれませんでした。

三年生の時は、親とたくさん喧嘩をしました。その多くは、弟や妹を叱った時の飛び火なのですが、私はそのたびに泣いて過呼吸になるを繰り返しました。

精神科に行くことも、だんだんと辛くなっていきました。先生が嫌だったわけではありません。

母が、「薬代が高い。何で、こんなに払わなきゃいけないの」と言ったからです。

それを言われることが嫌で、私は先生に嘘をつきました。

先生はいつも、「大丈夫だった?」と訊いてきます。私は、どんなに辛くても笑顔を作って「はい、大丈夫でした」と答えるようにしました。

そう何度も言っていると、病院に行かなくてもいいようになりました。この時に母はとても喜びました。

心に傷がまだ深く残ったまま、私は放り出されたのです。
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