dirty tear

母も父も、気に入らないことがあると私に当たってくる理不尽な人たちです。失敗などをすれば、とても怒ってきます。

それが怖くて、私はいつからか間違うのが怖くなりました。親に極力従順でいるようになりました。

掃除、洗濯物をたたむ、皿洗い、飼っている犬の散歩、夕食の支度のお手伝い…。たくさん手伝い、いい子でいるようにするようにいつからかなりました。いつから料理ができるようになったのか、洗濯物をたためるようになったのか、自分でも覚えていません。

しかし、弟や妹が親を怒らせ、一日のどこかで必ず家では怒鳴り声が響きます。そのたびに私は「消えてしまいたい」と心から思うのです。

怒鳴ることに「いつ」なんてものは存在しません。朝っぱらからでも、ご飯を食べている時でも、御構い無しに怒鳴り声は響きます。何度、まずいご飯を無理やり口に入れたかわかりません。

もしも、私の家で誰かが殺されたら、近所の人の言う台詞は何となくわかります。「ええっ！？あの家で事件が！？」と驚くのではなく、「ああ、あの家ならあり得ますよ。いつも怒鳴り声が聞こえてきましたから」と悲しいくらい冷静にインタビューに答えると思います。