dirty tear
私の家を何かに例えるなら、冷たい牢獄でしょう。私にはそう見えるのです。

十七年間生きてきて、未だに警察に通報されたことがないのが不思議なほど、私の家はおかしいのです。

高校が楽しいと思うようになった今、家に帰ることが辛くなる時があります。

弟や妹は、家の手伝いをすることはありません。いつも自分たちの好きなことばかりして、勝手なことばかり言います。

家に帰って、洗濯物をたたまなきゃいけないのか、とまるで召使いのようだと感じることも少なくありません。

それでも、私の帰る場所はあの家しかありません。帰るしかないのです。

いい子にしていればいい。いい子にしていれば、あの二人は怒らない。遊びに連れて行ってくれたりする、そう言い聞かせています。



さて、小学校の話に戻りましょう。

小学校高学年になってくると、自分が何もできないことに私は気づき始めました。

周りにいる友達は、みんな才能にあふれていました。勉強ができる子、絵が得意な子、足が速い子ーーー。
< 7 / 38 >

この作品をシェア

pagetop