dirty tear
私は、読書が好きだったので国語のテストは得意な方でした。しかし、「才能」とは言えません。漢字を書くのが苦手でしたし、その当時はまだ自分で小説を書くということもしていませんでした。

私には、悲しいくらい何もなかったのです。勉強もできない、運動もできない、何のために生きているのかわからない弱い存在ーーー。

高学年の頃は、しょっ中泣きながら家に帰りました。理由は、主に男子による嫌がらせです。

悪口を言われたり、私のランドセルだけみんなと違う場所に捨てるように置かれたり、プールの授業の時に太ももに生きているアリを乗せられたりしました。

最初のうちは、親も心配していましたが、だんだんと「またか」と言いたげな目を向けるようになっていきました。

私には「学校に行け」と言ったくせに、妹が友達と揉めたら「休んだら?」と言ったことは今思い出しても腹が立ちますし、悲しくもなります。

嫌がらせを受けたり、劣等感に苛まれたりもしましたが、味方がいなかったわけではありません。少ないながらもちゃんと友達はいました。
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