俺様アイドルと秘密ちゃん

「……ドレス。ない」








「ドレス?なんで」







「切られた。嫌がらせだよ」








「そう。今すぐそこに連れてって」














コンテスト開始まで30分。







スタッフ達は慌ただしく動き始めた。








他の人たちはサラが出ないことにほっとしているのか表情が緩い。







そんな空気の中、勢いよくドアが開いた。









汗だくのサヨリと、メイクと髪型がセットされたサラだった。









サヨリは、バッグの中から、縫い糸と布を出して作業し始めた。








「なにしてるの?」








「作ってるの。ロングドレスなんて、サラには似合わない。ミニじゃないと」







「ふふふ」













約20分。






完成したのはとてもシンブルなミニスカートのドレスだ。







純白の生地にレースのようで違う透けた生地を重ね、長かったスカートの前を切り後ろは長くしたままの可愛いドレス。






歩く度に裾がフワフワとなり綺麗。






腰には光のあたりによって色が変わるベルトが付けられ、サラの好きな鳳蝶がラメとして付けられた。
























コンテストの結果はインターネットのニュースに大きくかかれた。







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圧倒的な勝利!




親子の絆、深まる。




デザイナー サヨリとサラ。




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それと同時にサラがアリサだって言うこともバレ、地味な時の写真も流出し始めている。







そのおかげで私のSNSは、荒地状態。







誰が撮ったんだ!ていうほど写りが悪い写真も多く無性に悲しくなってきた。








「サラ……ごめんね。あの時、慰めてやれなくて」







「うん。あの時はほんと頭にきた。だからね芸能界も去ろうと思った」









「そうよね。ごめんなさい」









「ずっと許せなかった。でも、今は仲間がいる。だから大丈夫。」







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