俺様アイドルと秘密ちゃん
「うん。ちょっとね……」
「死んだの?」
「「死んでない」」
バツが悪そうに2人は見合わせ口をもごもごさせている。
もし、病室がわかっていたらすぐ向かうが私は知らない。
この病院にいるのかすらも。
誰も教えてくれない。
私のことを思ってくれているのかもしれない。
でも、私にとってありがい迷惑だ。
入院して翌日、無事に退院することができた。
「あの、すいません」
「はい!なんですか?」
「颯那さんが、入院している病室はどこですか?」
元気そうな看護師の表情が一気に曇った。
「どこですか?」
「颯那さんは、緊急治療室にいます」
「え?まだ意識戻ってないんですか?」
「はい。まだ1度も起きていません」
「そうですよね。まだ1日しか経ってないですもんね」
肩を落としながら病室に向かうと、ガラスに囲まれた颯那か、呼吸器をつけて寝ている。
専用の洋服を着て、中に入る。
「颯那……。ごめんね」
私はその日から、毎日病院に通った。
仕事は減らさず行った。
犯行を指示した桃子は、確実な証拠がなく捕まっていない。
普通にしていればいいものの、あいつはテレビに出て、ニコニコ笑っている。
許せない。
「サラ?どうした?」
「廉。ちょっと付いてきてくれる?」