あの日から、これからも。
「ねぇ、あんた 若生くんとどーゆー関係なの?」

「…… 付き合ってるけど。」

いいんだよね?さっきそう言えって言ったのはあいつだ。

「は?マジなの?」

「そうだけど。何?」

「意味わかんないんだけど。沙理奈の彼氏の次は若生くん?何でこんな整形女と」

「…っ私は整形してないし、文句あるならあんた達から告白でも何でもすればいいでしょ」

「うるせぇ、調子乗んなよ」

「しゃしゃんないでくれる?キモイ」

「っ痛っ」

私の反論に腹を立てたのかいじめの主犯の梨桜が私の足を思いっきり踏みつける。
梨桜は私の右足に全体重をかける。

「マジでお前大っ嫌い、覚悟しとけよ」

梨桜は不敵な笑みを浮かべているが目は笑っていない。私の足への力は弱まる所か強くなる。
歯を食いしばっていないと涙が出そうな痛み。

「おい、」

「えっ、あ、若生くん?!?!」

足への重みがなくなったと思えば、目の前にいるのは若生澄晴。梨桜を含む女子の軍団は見向きもせずに私の目の前に佇んでいる。

「英語の教科書貸してくんね?今日忘れた」

「は? あ、あぁ、教科書ね、はい」

「後で返しに来るわ。」

「う、うん」

「じゃ、後で。 」

若生澄晴は私から教科書を受け取ると颯爽と帰っていった。
何、これが守るってやつ?

来るの遅いでしょ。
でもあいつが来てくれて良かった。
あれ以上足を踏まれていると涙が出るところだった。

私を囲んでいた女子達は不服そうな顔をして自分の席に戻って行った。

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