Baby's Breath
そもそも、愛空と私が付き合ったきっかけは私が休憩所でスマホゲームをしていた事が始まり。


『あ!それ、俺もやってる!』


そう言っていきなり話しかけられて人見知り発動させたのはいい思い出。


『めっちゃ有名なランカーじゃん!うわ!身近に憧れの存在いるとか俺めっちゃツイてる!』


そう言って笑いかけるから……簡単に好きになった。


私には本当に勿体ない彼氏なのに。


ため息をついて休憩所の椅子に座る。


持って来たお弁当を広げながらスマホゲームを開く。


今からランキング戦が始まるからだ。


よし、今日こそは10位以内に入るぞ。


一人でも平気。


大丈夫……。


そう言い聞かせて私はゲームに没頭した。







今日も苦痛の仕事を終えて帰り道を急ぐ。


録画したアニメ、早く見たいな。


私の推しの話だから楽しみにしてた。


家に帰って夕食を作る。


そしてテレビをつけてアニメを再生した。


「ああ……千景|《ちかげ》くんカッコイイなぁ……」


アイドルをテーマにしたアニメ。


今アニメ好きの女の子に大人気となっている。


どことなく愛空に似ている千景くんに私はまんまとハマった。


今度アニメイト行って千景くんのグッズ買おう。


ていうか明日休みだし明日買いに行こう。


そう決意してモグモグとご飯を食べる。


するとインターホンが鳴った。


宅配かな?


……何か頼んだっけ?


そう思いながら判子を持って玄関へ向かう。


「はい」


扉を開けて相手を確認すると、相手は愛空だった。


「っ!?」


「光希酷くない?一緒に帰ろうと思ったのにサッサと帰っちゃって」


「な、なんで……っ」


「言ったじゃん。『続きは仕事終わりに』って。てか会社で光希とイチャイチャ出来ないなら家でイチャイチャするしかないでしょ」


そんな事を言いながら有無を言わさず中に入る愛空。


ちょっと待って、今私テレビ……。


「っ!!ま、待って愛空!!」


愛空を止めようとしたけど時すでに遅し。


愛空はテレビを見て固まった。

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