【企】蜜みつtime
「…っ」
思いっきり目を瞑った。
が、痛みは感じず…
恐る恐る目を開いてみた。
「か、和樹…っ!!」
そこには先輩の手を掴む和樹の姿があった。
教室ではいつも“早瀬”と呼んでいたが、つい“和樹”と言ってしまった私に、クラスの皆は、本当なんだ、とひそひそ話を始める。
けど、そんなの目にも耳にも入らなくて…
見たことのないくらい怖い和樹の表情に、私まで一瞬引いてしまった。
「茉弥に手ぇ出すんじゃねぇよ!!勝手に人の女に触るな!!」
と、睨みを聞かせ怒鳴る和樹。
「だ…だって…」
「だってじゃねぇ!!茉弥に何かしたら女でも許さねぇ。さっさと散れよ。」
バタバタっと出ていく先輩。
静まった教室。