続・俺が幸せにしてやるよ
とりあえず今は冷静にならないと。
いや、でも。
この時間帯、陽葵が夜食持ってきてくれる時間か。
コンコン
「はい」
条件反射で返事をパッとしてしまった。
心の準備しようと思ったのに。
「夜食持ってきたよ」
ドアの向こう側の陽葵は至って普通、か。
「·····いいよ、入って」
少し間が空いたけどなんとも思わないだろ。
陽葵が中に入ってきたのが分かる。
この状況になって気づくけど、陽葵の顔、見れない。
「そこに置いといて」
結局冷たい声しか出ない。
「食べないの?」
「⋯⋯勉強が一段落着いたら」
勉強なんて今見にも入ってないってのに。
「じゃあ、ここで待ってるね」
こんな日に限って、待ってるねって言葉が心に突き刺さる。
「いや、大丈夫」
「え?」
これ以上、一緒の空間にいるとダメになりそう。俺が。
「もう、戻れ。俺の気が散る」
「⋯⋯ごめんっ⋯⋯」