YUME
私が近くによると

「お前また来たのか?またビショビショなのか?」

そう笑いながら私に体操着をわたしてくれる。

「ありがとう」

そういって着替えたあとその前のストーブで制服を乾かしている。

相変わらず先生は永野さんに押し付けて今はいないみたいだ。

「しかし冬によくこんなことやるよなー。ま、教室に行かない私には関係ないけどな」

そう言いながら私の頭をぽんぽんする永野さんに安心して私は泣きだしてしまった。


この人はこんな見た目だけどこんなに優しい人だった。

だれよりも暖かくて…でもたまにしか学校に来ない上教室にも来たことがなかったクラスメイト…

私はこの子のことを何も知らなかった…
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