ラブレター【完】

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金曜日。

今日も昨日に引き続きいいお天気だ。

3時間目の音楽の時間に、合唱コンクールで歌う曲と伴奏者、指揮者を決めた。

わたしは伴奏をすることになった。

去年も伴奏だったし、きっと来年も伴奏。

どうやら合唱コンクールは、3年間合唱しないで終わりそうな予感がする。

歌うのは「怪獣のバラード」というやけに賑やかな曲。

いくつかの曲を聴いて多数決で決めたんだけれど、主に男子がこの曲を推しまくったのでこれに決まった。

「でもこれ、全然バラードじゃねーよなー」

この曲に決まった時、ともちゃんが大きな声で言って、みんなが「確かに」と言った。

そっか、みんなはスローバラードをバラードだと思っているのか。

「ともちゃん、それはね」

ともちゃんに説明しようと口を開いたら、

「バラードはもともと詩って意味で、詩に乗せた曲のことだから、別に曲調は関係ないんだよ」

と、わたしが言おうとしたことを、誰かが先に答えた。

うちのクラスの委員長で、今回の指揮者、雨宮透(あめみや とおる)くんだった。

眼鏡をかけているからか、見た目からとても頭がよさそうで、そして実際に頭がいい。

学年1の秀才くんだ。

それにしても、こんな音楽のことまで知っているなんて。

本当に博識なんだなあと感心してしまう。
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