ラブレター【完】

さっさと寝るはずだった昨日は、なかなか寝付けなかった。

ともちゃんのことで、ずっとモヤモヤイライラしていたからだ。

ともちゃんに好きな子がいる、それが気にくわないのか、それとも、好きな子を秘密にされたことが気にくわないのか。

自分でもよくわからなかった。

寝不足で大あくびをしながら自分の席に着くと、

「うわー、すっげーでかい口!」

寝不足の元凶がからかうように言った。

「うるさーい!ほっといてよ」

「なに、理奈ご機嫌斜めなの?」

「ともちゃんには関係ないもん!」

わたしが睨むと、ともちゃんはやっぱり楽しそうな笑みを浮かべて「はいはい」と言った。

そして不意に、わたしの顔に手を伸ばした。

「なっ……なに?」

驚いて、思わずびくっとなった。

そんなわたしにはお構いなしで、ともちゃんは顔の横の髪の毛束を、指でそっとつまんだ。

「寝ぐせ。すげーよ?」

「……あ、あとで直すもん!」

ともちゃんと目を合わせるのが、なぜかものすごく恥ずかしくて、わたしはぷいっと顔をそらした。

ちょっと頬っぺたが熱かった。
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