ラブレター【完】

悪いことは続くものだ。

いや、ため息ばかりついているから、悪いことが起きるのかもしれない。

ため息をつくと幸せが逃げる、なんて言うし。

4時間目は体育で、本当なら今年初のプールの授業だったはずなのに、雨のせいか気温も水温も低くて、プールは中止になった。

すごく楽しみにしていたのに、最悪だ。

わたしは泳ぐのが本当に好きで、今でも水泳部に入らなかったことを少し後悔するくらい好きで、だからプールの授業は本当に楽しみだったのに。

しかも、未だにちょっと湿った靴下を、脱いで乾かすチャンスだったのに。

関係ないけれど、さっき休み時間に給食の献立を見たら、大嫌いな鯖の味噌煮だった。

今日は何から何まで本当に最悪だ。

結局体育館で、跳び箱の授業をやった。

跳び箱を飛ぶのは別にいいけれど、いまいちモチベーションが上がらない種目だな、と思う。

だって、箱飛び越えるだけなんだもの。

たぶんプールが中止になったからつまんなくて、こんなことを思うんだろうけれど。

今日は男子と一緒。

プール以外で男子と一緒に体育をするのは珍しい。

運動神経のいいともちゃんが軽々と跳び箱を飛んで、女子の何人かが歓声を上げた。

あの女子の中に、ともちゃんの好きな子がいるんだろうか。

あ、それとも水泳部員の子?

やっぱり可愛いのかなあ。

……こんなの、考えたって意味ないのに。

最悪な日は、考えることも最悪だ。
< 48 / 90 >

この作品をシェア

pagetop