ラブレター【完】

「ええっ?!」

『雨だれ』さんからのメッセージを目にしたわたしは、驚きのあまり思わず声を上げた。


「そうだね、じゃあ

あと3日以内に見つけてよ」


絶対に『雨だれ』さんを見つけるから、と書いたのはわたしだけれど。

なんで?

突然、3日以内なんて期限を定められてしまった。

3日以内……今日が月曜日だから、木曜日までに、ということだ。

どうしよう、困った。

たった3日で『雨だれ』さんに辿り着かなくてはいけないなんて、そんな無茶な。

……でも、ヒントはたくさんもらっている。

ひょっとしたら、もう答えがわかるだけのヒントを出したから、いい加減わかれよ、という意味なのかもしれない。

『雨だれ』さんが星川先輩か透くんのどちらかなのは、きっと間違いないはずだ。

だって、他に条件に当てはまる人がいない。

毎日会う、走るのが速い、ピアノの件を知っている、本が好きそう。

そして、名前。

「ごほうび」と言ってくれたヒントが「名前」だった。

これが最終ヒントだし、ご褒美だし、きっと正体がわかるくらいの大ヒントということだ。

ニックネームの『雨だれ』が、本名に関係しているに違いない。

名前に雨が入っている人を、わたしは星川先輩と透くん以外に知らない。

ほぼ全ての条件が、2人の内どちらかが『雨だれ』さんだと言っている気がする。

……でも、どちらかに断定する決め手が何もない。
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