ラブレター【完】
「透くん、なんで…」
びっくりし過ぎたわたしは、否定をするのも忘れて、目を見開いて彼を見つめた。
「なんでわかるのかって?……それは」
透くんは、そこで一度言葉を切った。
そして、少しだけ笑って言った。
「それは、俺が鈴木のこと、好きだからじゃない?」
「…………えっ?」
今、なんて言った?
……鈴木のこと、好きだから?
もしかしてわたし、透くんに、告白、された?
「……あはは、言っちゃった」
透くんは、照れ臭そうにポリポリと頭を掻いた。
「まあ、言った所で失恋確定なんだけどね」
「…………」
わたしはとにかく呆然としていた。
何がなんだかわからない。
透くんがわたしを好き。
それは、おこがましくも予想はしていたことだ。
だって、透くんは『雨だれ』さんかもしれなかったから。
でも、透くんは今、わたしに告白した。
『雨だれ』さんはわたしのことが好き。
それならば、やっぱり『雨だれ』さんは透くん、が答えということ?
それはなんか変だ。
3日以内、木曜日までに俺を見つけて、と言った『雨だれ』さんが、急に告白なんてする?
……つまり、透くんは『雨だれ』さんじゃないってこと?