ラブレター【完】
なんか最近、前にも増して理奈のことが気になって、常に目で追うようになった。
そしたら、あることに気づいた。
理奈の周りをちょろちょろしてる、あいつの存在だ。
相子友成(あいこ ともなり)、こないだプールで溺れて俺が助けたあいつ。
理奈と相子は同じ小学校だからか、結構仲がいい。
理奈にとっては、俺の次に仲のいい男子だ。
ちょっと目を離すと、2人が一緒にいて楽しそうに話している。
なんかムカつく。
よくわかんないけど、すげームカつく。
そんなある日、
「相子くーん」
理奈がいつものようにあいつを呼んだ。
そしたら、「なに?」って返事した相子の顔が、デレッと緩んだ。
なんだあいつ、ムカつくなあ。
なんであんな嬉しそうにしてんだよ。
ん?嬉しそう?
…………。
……あれ、もしかして。
相子って、理奈のこと好きなんじゃね?
……理奈のことが「好き」?
その考えに至った時、俺はついに気がついた。
自分の気持ちに。
だって、相子には絶対に取られたくないって思ったから。
あー俺たぶん、理奈のこと好きだわ。
……うん、すげー好き。