ラブレター【完】
【解説でござる】

さて、今回の作品には、殆ど伏線を張っていません。
その代わり、雨の日の音楽室というシチュエーションや、作中で何度も出てくるショパンの「雨だれのプレリュード」というピアノ曲自体が、推理をミスリードするという仕掛け。
実は智輝の名乗った『あまだれ』は、雨にも音楽にも全く関係ありません。
あまだれ=甘いタレ、くらいのノリで名乗ってます(笑)

そして、今回はなんと、主人公の理奈も、読者様をどんどんミスリードしていきます。
「好きな人がいる」と言っただけで、勝手に「他に好きな人がいる」と変換しているのだから困ったものです。
とんだポンコツ探偵です。

謎自体はミステリー好きな中学生の男の子が考えたので、比較的単純。
「amadera」→「amadare」という、ただのアナグラムです。

古文の授業で「色は匂へど、散りぬるを」が出てくるのも、実はアナグラム示唆でした。
最終ヒントの「あさきゆめみし」は、「いろはにほへと」の一部分です。「いろはにほへと」は「あいうえお」のアナグラムですからね。

そして作中の「error」という漫画の犯人名も、アナグラムになってます。
タイトルがerrorなのは、理奈の推理がエラーを起こしているからです(笑)

解説はこのくらいで。


【あとがきとお礼】

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。

他サイトにて連載中は「ともちゃんが『雨だれ』さんだといいな」というコメをたくさんいただきまして、その期待を裏切ることなく、無事大団円で終えました。
星川先輩のファンの方もいらしたので、途中で心揺れましたが(笑)

さてさて、主人公の鈴木理奈は、「初恋をもう一度。」の田崎奈々の娘です。
母娘おやこが同じ第二音楽室で、同じように不思議な初恋をする物語。
興味がある方はぜひ、理奈のパパママの恋物語「初恋をもう一度。」も読んでみてくださいね。

あ!今回は表紙絵にチャレンジしました。
出来はともかく、描いたことに満足しております。
ちなみにこの表紙絵、最終章のあるシーンです。

最後に改めまして。

ラストまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
とても楽しく書けました(*≧∀≦*)

ではまた、違う物語でお会いできるのを楽しみにしております。


寺島かなた
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