最上階ロマンス
3
実咲は、琢磨に連れられるまま…、街中まで赴き…、手土産に…と、6人分のケーキを選べ…と、言われた…
琢磨は、【お前の好みでいい】と言うから…仕方なく、無難なタルトやショートケーキなどを選んだが。。これから会いに行く相手が、自分たちを除いて…4人もいる!と言うのだけは分かった…
とあるマンションの前に来て…、琢磨は、インターフォンを押す…
中から、微かに女性が応対する声が聞こえた…
「着いた。」
と、ただそれだけ言った琢磨に、そのインターフォン越しの女性は…『はぁーい! いま、開けま~す!』と、声が聞こえた…
その声に…、中にいるのは、女性だと気がついた…が。。琢磨が自分とその女性を会わせる意図が全く分からなかった…
エレベーターを降り、再度、インターフォンを押した琢磨…
「はぁ~い!」
チャイムから、数秒あとに…マンションのドアを開けた女性…。。可愛いらしい笑顔に、その腕には…生まれて数ヶ月経ったか…くらいの赤ちゃんがスヤスヤと眠っていた…
その、赤ちゃんの顔をのぞき込む琢磨…
「やっば! ホントに出てきたんだ…」
「出てきましたよ~! もぉ! ホント、大変だった~! 8時間よ! 分娩っ! 死ぬかと思った~」
と、ケラケラと笑いながら言う…その女性…
実咲は、その彼女に、どこかで会ったことがあるような気がした…
その、女性は、琢磨のすぐ後ろにいた実咲に気が付き…
「あ! 奥さん! やだ! 初、お目見え~!」
と、満面の笑みを浮かべ…、マンションの部屋の中に招き入れようとする…
「あ、うん。お前らが【会わせろ!】ってうるさいから。
瑠樺、お前、知ってるだろ? 松永 実咲」
その琢磨の紹介に、実咲だけではなく…、その女性も【あっ!】と、気がついたようだ…
「松永さん! ホント? 可愛いくなっちゃって~!
あたしのこと、覚えてるかなぁ~?」
その、【瑠樺】と、琢磨に言われた女性は、そぅ右手を差し出した…
その、笑顔に…実咲は見覚えがあった…
高校時代…、彼と仲の良かった女の子…
「うん。久しぶり。今野さん…の赤ちゃんなの?」
《会わせたかった人って、今野さんなの?》
と、差し出された手を握り返した実咲…、瑠樺の腕の中で眠っている赤ちゃんの顔をのぞき込む…
「可愛い…」
思わず…、口をついて…出た言葉だったが…
「……」
《あれ? この子のパパは?
まさか、漆原くん…じゃないよね?》
実咲は、脳裏に…学生時代の琢磨と瑠樺が浮かんだ…
瑠樺は、女子生徒とつるんでいるよりも…、琢磨や結婚式の招待状を寄越した悠と一緒にいる場面を見るのが多かった…
「でも、嬉し~! 琢磨の奥さんが【お前らの知ってる女】って、言ってたから…誰かと思っていたら…松永さんだったなんて。。ビックリ!
伶菜(れな)ちゃんなの。可愛いでしょ? 女の子なの」
と、実咲の呟いた言葉に、満面の笑みを浮かべる瑠樺…
瑠樺は、玄関先から部屋の奥へと実咲と琢磨を案内する…
実咲は、心做しか…琢磨が機嫌が良くなったかのように伺えた…
「……っ」
《高校生の頃から…、変わらず…仲良いんだ。。
入り込めないなぁ~》
と、琢磨のあとを追いながら…思った。。
ダイニングルームのドアを開けた瑠樺…、それを待っていたかのように…、瑠樺の腕に抱かれた赤ちゃんを瑠樺から受け取った長身の男性…
琢磨の顔を見るなり…
「やっと、来た~! ホント、時間にルーズ!」
そぅ言った。。その青年は、瑠樺同様…実咲は見覚えがあった…
「と、漆原、やっと、奥さん連れてきたじゃん!
…て。どっかで見たことあるような?!」
と、驚きの表情を浮かべる…。。瑠樺は、その男性の耳元に何かを囁き…
「ふふ、あたしの旦那さまです~! 去年、結婚したの~!
覚えてるかな? 佐伯 雅人!」
そぅ、先程と変わらず…満面の笑みを浮かべる瑠樺…
「…佐伯…くん…」
《…が。。
今野さんの旦那さんか…っ。
確かに、仲良かった…よね?》
実咲は、心做しか…ホッと胸をなでおろした…。。瑠樺の【旦那さま】が、佐伯 雅人だとすると…瑠樺の赤ちゃんの父親が琢磨のはずはない…と、思ったからだった。。
琢磨は、【お前の好みでいい】と言うから…仕方なく、無難なタルトやショートケーキなどを選んだが。。これから会いに行く相手が、自分たちを除いて…4人もいる!と言うのだけは分かった…
とあるマンションの前に来て…、琢磨は、インターフォンを押す…
中から、微かに女性が応対する声が聞こえた…
「着いた。」
と、ただそれだけ言った琢磨に、そのインターフォン越しの女性は…『はぁーい! いま、開けま~す!』と、声が聞こえた…
その声に…、中にいるのは、女性だと気がついた…が。。琢磨が自分とその女性を会わせる意図が全く分からなかった…
エレベーターを降り、再度、インターフォンを押した琢磨…
「はぁ~い!」
チャイムから、数秒あとに…マンションのドアを開けた女性…。。可愛いらしい笑顔に、その腕には…生まれて数ヶ月経ったか…くらいの赤ちゃんがスヤスヤと眠っていた…
その、赤ちゃんの顔をのぞき込む琢磨…
「やっば! ホントに出てきたんだ…」
「出てきましたよ~! もぉ! ホント、大変だった~! 8時間よ! 分娩っ! 死ぬかと思った~」
と、ケラケラと笑いながら言う…その女性…
実咲は、その彼女に、どこかで会ったことがあるような気がした…
その、女性は、琢磨のすぐ後ろにいた実咲に気が付き…
「あ! 奥さん! やだ! 初、お目見え~!」
と、満面の笑みを浮かべ…、マンションの部屋の中に招き入れようとする…
「あ、うん。お前らが【会わせろ!】ってうるさいから。
瑠樺、お前、知ってるだろ? 松永 実咲」
その琢磨の紹介に、実咲だけではなく…、その女性も【あっ!】と、気がついたようだ…
「松永さん! ホント? 可愛いくなっちゃって~!
あたしのこと、覚えてるかなぁ~?」
その、【瑠樺】と、琢磨に言われた女性は、そぅ右手を差し出した…
その、笑顔に…実咲は見覚えがあった…
高校時代…、彼と仲の良かった女の子…
「うん。久しぶり。今野さん…の赤ちゃんなの?」
《会わせたかった人って、今野さんなの?》
と、差し出された手を握り返した実咲…、瑠樺の腕の中で眠っている赤ちゃんの顔をのぞき込む…
「可愛い…」
思わず…、口をついて…出た言葉だったが…
「……」
《あれ? この子のパパは?
まさか、漆原くん…じゃないよね?》
実咲は、脳裏に…学生時代の琢磨と瑠樺が浮かんだ…
瑠樺は、女子生徒とつるんでいるよりも…、琢磨や結婚式の招待状を寄越した悠と一緒にいる場面を見るのが多かった…
「でも、嬉し~! 琢磨の奥さんが【お前らの知ってる女】って、言ってたから…誰かと思っていたら…松永さんだったなんて。。ビックリ!
伶菜(れな)ちゃんなの。可愛いでしょ? 女の子なの」
と、実咲の呟いた言葉に、満面の笑みを浮かべる瑠樺…
瑠樺は、玄関先から部屋の奥へと実咲と琢磨を案内する…
実咲は、心做しか…琢磨が機嫌が良くなったかのように伺えた…
「……っ」
《高校生の頃から…、変わらず…仲良いんだ。。
入り込めないなぁ~》
と、琢磨のあとを追いながら…思った。。
ダイニングルームのドアを開けた瑠樺…、それを待っていたかのように…、瑠樺の腕に抱かれた赤ちゃんを瑠樺から受け取った長身の男性…
琢磨の顔を見るなり…
「やっと、来た~! ホント、時間にルーズ!」
そぅ言った。。その青年は、瑠樺同様…実咲は見覚えがあった…
「と、漆原、やっと、奥さん連れてきたじゃん!
…て。どっかで見たことあるような?!」
と、驚きの表情を浮かべる…。。瑠樺は、その男性の耳元に何かを囁き…
「ふふ、あたしの旦那さまです~! 去年、結婚したの~!
覚えてるかな? 佐伯 雅人!」
そぅ、先程と変わらず…満面の笑みを浮かべる瑠樺…
「…佐伯…くん…」
《…が。。
今野さんの旦那さんか…っ。
確かに、仲良かった…よね?》
実咲は、心做しか…ホッと胸をなでおろした…。。瑠樺の【旦那さま】が、佐伯 雅人だとすると…瑠樺の赤ちゃんの父親が琢磨のはずはない…と、思ったからだった。。