最上階ロマンス
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その後の…、カレーパーティーのカレーの味…なんてモノは、実咲には分からなかった…。。

頭の中は、カレーよりも…悠とその彼女の結婚式に琢磨と夫婦同伴で参加する!ということで、いっぱいだった。。


カレーパーティーは、チキンカレーや野菜カレーなどスパイスなどをいくつか変えたモノが4種ほどあった…が、それらのカレーは、悠と瑞希が昨夜から仕込み持参をして来ていたらしい…

「カレー、どうですか?
あ、もしかして…あんまり好きじゃなかった?」

と、笑顔を向ける…悠の婚約者の女性・瑞希の言葉に、実咲は味なんてモノ、感じる状況じゃない!…とは言えず…

「美味しいです。とても…」
《て、どんだけ作ったのよ? カレーばっかり!

当分、カレーはいいかも?》

と、思ったが…とても、口には出せず…

「良かった! 悠たちと同級生なんですよね? 私、彼の高校時代、知らないから…」

そぅ、にこやかに微笑みながら…言う彼女。。その彼女の左手…、婚約指輪らしき指輪が光っている…ダイヤの周りを花のように散りばめられたピンクダイヤ…

「…綺麗ですね。それ…」
《婚約指輪か…、いいな…

可愛いデザイン…》

実咲の視線の先が、自分の薬指にはめられた指輪だと気がついた瑞希…

「あ、いいって言ったんですけど。彼が…どうしても…って。
そういうとこ、こだわりがあって…」

と、照れくさそうに話す彼女…、幸せそうだ…と、思った。。

悠に愛されているのが…、その表情からも伺える…

「漆原さん、そういうのは?」

「彼は、そういうのは…。。
私たち、バタバタ…でしちゃったから。結婚式も…」
《なんか、寂しい…。。

彼女も…、今野さんも…幸せそうなのに。。

私は?

偽装だから…、仕方ないけど。。》

そぅ、少し寂し気に呟いた実咲に…

「ウチの彼、結婚には中々…だったけど。
漆原さんに言われて、決めてくれたんですよ。
あの人、ああ見えて…みんなのこと、ちゃんと見てくれてるんですよね。」

「……っ」
《…そぅなんだ…。意外…

意外…と、云うのかな?

私を助けてくれたんだから。。

優しいところもあるって…、それは分かる…》

瑞希の言うことは、正しい…だろうと思った。

自分はまだ、本当の彼を知らないのかもしれない…と。。


「ホント、そうですね。
私も、彼に救われたから…」

実咲の言葉に、瑞希はニッコリと微笑んだ…

「漆原さんの足…、知ってます?」

と、急に…少し寂し気に言葉を繋いだ瑞希…

「…あ。。」
《彼の左足…のこと?》

瑞希は、実咲の方に…消え入りそうな笑みを浮かべ…

「アレ、私たちのせいなんです。」

「……っ」
《…【私たち】…っ?》

「漆原さん、そういう事、言わないですよね?
そういう人です…
私と彼を、1度も…、責めたりもしない…
だから、彼には幸せになって欲しいんです…」

そぅ…、笑顔を見せた…

「……っ」
《彼の左足の原因…って。。?!

なんか、詮索してはいけないことなのかもしれないけど…

私だけ…、何も知らないんだよね?

当たり前…だけど。。


そう言えば…、今朝はバタバタしてて…気にも留めなかったけど。。

漆原くんの部屋…、あんなに好きだった…バスケに関係したモノがなかった…。。なに1つ…

部屋に、ボールやバッシュくらいあるかと思ってたけど…、何も…》

実咲は、今朝…、目が覚めた時に見た…琢磨の部屋を思い出していた…

大きなデスクに、パソコン機器が並び…、大きなセミダブルくらいの大きさのベッド…、作り付けのクローゼット…、シンプルな余りモノが置かれていない部屋…

彼の…、過去を知りたい…と、思った。。
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