最上階ロマンス
実咲の反応に、琢磨は、笑いながら…

「キスまでのスキンシップはいいって、ことだよな?」

「…ちょ…、ちょっと待って…!
スキンシップって…」
《…そ。。

そんなこと…っ!


でも…、ここでまた…【契約書】の内容を変更する…と、言ったら…

怪しすぎる…っ!》


実咲は、琢磨の方を真っ直ぐに見据えて…


「分かった! そこは、漆原くんの言う通りに…」
《私が、彼に惚れなきゃいいんだから…っ

惚れなきゃ…っ!》


その、実咲の言葉に笑いかけ…腕の中にいる実咲に…

「じゃ、俺からも1つ…」

「…えっ?」

「呼び方…、変えろって言ったじゃん?」

琢磨の言葉に、実咲はそのことを思い出した…

「だって…、それは、昨夜のパーティの時とか…、他の人がいる時に気をつければ…」
《そこまで…、

演技しなくても…誰も気にもとめないかもしれないのに…っ》

琢磨の腕に抱かれながら…、その腕から逃れよう…と、実咲はその腕を解いて欲しい…と、その腕に力を込める…

「…ダメだな。
日常生活から慣らしてもらわないと…っ! 名前、呼んで…って、言わなかった?
いま、呼ばないと…キスするけど。。」

そぅ…、実咲の頬に触れながら…、にっこりと微笑む…

「…え? ちょっと、待って…!」
《…ちょ…っ。。

そんなこと、言ってた…?》


が。。


少しすつ…、近づいてくる彼の唇と、胸の鼓動の高鳴り…に、抗う余裕すらない…

キスされる…っ!と、思った瞬間。。実咲は、きゅ…っと両の瞳の瞼を閉じた…


「…った…、琢磨…っ!」


寸で…の所で、触れられずに止まった…

両の瞼を閉じている実咲…、その髪を撫でる…大きな手…

「やれば出来るじゃん!」

その声に…、そっ…と瞳を開ける…

今までにないような…、その表情…

「……っ」
《なに…、これ…!》

琢磨は、腰を上げる…と、脱衣室へと向かって行った…


実咲は、少しすつ…早まる鼓動に収集がつかない。。耳元まで紅潮していく…両手で、その頬の熱さに触れる…

「…なに…?」
《…アレ…っ!

なんで…、あんな表情…

ただ…、名前、呼んだだけじゃない!

あんなカオするなんて…、ズルい…っ!》



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


薄暗い寝室…、実咲は、琢磨のセミダブルサイズのベッドに横になり…30分以上、経っただろうか?…もしかしたら、もっと経っているのかもしれない…

眠れずにいた…


何度目か…の、寝返りを打つ…。。

琢磨は、まだ寝室に来ない…。。仕事の資料でも読んでいるのだろうか…?


「……っ」

そ…っと、瞼を開けた実咲…。。

先ほどの琢磨の表情を思い出していた…

「……っ」
《あたしと彼の関係は…

【契約】だけのモノ…

昨夜のパーティのアト、Hなこと、しちゃったけど…、それだって…契約の…


彼に、好きな人や恋人が出来れば…、すぐにも…こんな関係、終わる…

彼にとっては、あたしより…彼のことが好きで、そういう関係だった凪子さんの方が、彼とお似合い。。

彼女、社長令嬢だし…

その方がきっと…》


と、思った瞬間…、胸元に何か空虚感を感じた…

胸元が、モヤモヤし…何かが重くのしかかるような…

この、感情はなんと言えばよいのか…?





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