最上階ロマンス
2
手荷物だけを持って…、琢磨に指示されたマンションへと向かった。。
目の前に、そびえ立つ高層マンションの21階に琢磨は住んでいるという…
カードキーで、マンションの部屋が解除された…。。微かに、震える指先…
恋をするのも…、恋人の部屋に行くのも…、恋人と一緒に暮らす…のも。。初めてではない…
でも…、これは、【恋】とは違う…。。【契約】だから…
恋人の部屋へと向かうのとは、違う心境がした…。。この気持ちはなんと例えればよいのだろう…?
「……」
部屋に入った…、ゆうに20畳ほどはある…綺麗に整理されたダイニングルーム…に、併設されているキッチンには洗い上げられた食器類…、てっきり…服などが散乱されている…のかと思った…
まるで、モデルルームみたいな部屋…と、思ってしまった…
「男の人で、ここまで綺麗な部屋…、初めてかも?」
《あぁ見えて…、キッチリしてる…のかな?
これだけ綺麗にされている…と、彼女や奥さんは必要ないかもね?》
…と、微かな笑いがこみ上げ、客観的にそぅ思えた…
が。。
琢磨があれ程、好きだった…バスケット関連の雑誌やボールなど…、バッシュなども…あるかと思っていたモノが…それらの何ひとつも見当たらない…
モノがなさすぎる…と、言えるくらいの部屋…。。人が生活しているとは思えない…
ダイニングルームの隣り…の部屋…は、多分、琢磨の寝室だろう…
「多分、そっちにあるのかな?」
《あれ程、好きだったんだもん…
バスケ、辞めた…と、言っていたけど…
何処かにあるはず…、玄関にバッシュもなかった
靴箱か何処かにあるのかもしれないし…》
好奇心…に、駆られたが…。。プライバシーに関わることだ…、恋人でも奥さんでもない…自分が、覗き見するようなことは止めよう…と、決めた…
「何しよう…っ」
《部屋、掃除する必要もないくらい…、綺麗だし…
家事をやって欲しいって、やる必要もないくらいじゃないの?》
壁に掛けられている時計を見上げる…
「夕ごはん…」
《仕事、終えたら…。。すぐに帰ってくる…と、言ってた…》
ただ…、帰ってくるのを待っているだけでは…いたたまれない…
何か、作ろう…と、冷蔵庫を開けた…。。冷蔵庫の中は…
「まぁ…これくらいあれば…作れそうかな? アルコールばっかだけど」
アルコールのビールやらが、これまた綺麗に陳列されている…適度に食材も入っている…
何とか…、その冷蔵庫に入っていた食材で鶏肉入りのポトフを作った…、有り合わせの野菜でサラダも…
「出来た~! うーん、口に合うか分からないけど。。」
実咲は、両親を亡くしてから…1人暮らしを始め…料理はとりあえず身に付けていた…
こんな所で役に立つとは…というような心境だった…
実咲は、琢磨の帰ってくるのをソファに座り…、待つことにした…が。。まるで、借りてきたネコのような心境だ…
自分は、本当にここにいていいものかどうか…、分からない…
「……」
《彼は、私のことを覚えていない…はずなのに、どうして、ここに来たら?…って、言ったのかな?
ただの同級生だから?
奥さんのフリをするのに、ちょうどいいから?
きっと、その両方なんだろうな。。》
ソファにあったクッションを抱え…、抱きしめる…
「…覚えていないなんて、酷い…っ」
《高校生の頃、1度だけ…自分の気持ちを伝えようとした…。。
でも、彼は……っ》
そぅ、独り言を呟き…、涙が溢れそうになった…
アレから、何年も経ってるのに…20代中盤にもなって、何故、昔の片想いを蒸し返すような出会いになるのか…?と、思えてならない…
「まだかな?」
《漆原くんの考えは、分からない…けど。
とりあえず、次に住める所を探すから…それまでの間だけ…と、伝えよう。。》
再び…、時計を見上げる…。。時間は既に20時を回りつつあった…
「……」
《…【早く帰ってくる】と、言っていたけど…
仕事、忙しいのか…
そりゃ、そうだよね? 弁護士だもん…》
実咲は、テーブルの上に置かれた郵便物の1番上…、白い封筒が目に付いた…
その封筒を手に取り、ソファの上にコロンと横たわる…
目の前に、そびえ立つ高層マンションの21階に琢磨は住んでいるという…
カードキーで、マンションの部屋が解除された…。。微かに、震える指先…
恋をするのも…、恋人の部屋に行くのも…、恋人と一緒に暮らす…のも。。初めてではない…
でも…、これは、【恋】とは違う…。。【契約】だから…
恋人の部屋へと向かうのとは、違う心境がした…。。この気持ちはなんと例えればよいのだろう…?
「……」
部屋に入った…、ゆうに20畳ほどはある…綺麗に整理されたダイニングルーム…に、併設されているキッチンには洗い上げられた食器類…、てっきり…服などが散乱されている…のかと思った…
まるで、モデルルームみたいな部屋…と、思ってしまった…
「男の人で、ここまで綺麗な部屋…、初めてかも?」
《あぁ見えて…、キッチリしてる…のかな?
これだけ綺麗にされている…と、彼女や奥さんは必要ないかもね?》
…と、微かな笑いがこみ上げ、客観的にそぅ思えた…
が。。
琢磨があれ程、好きだった…バスケット関連の雑誌やボールなど…、バッシュなども…あるかと思っていたモノが…それらの何ひとつも見当たらない…
モノがなさすぎる…と、言えるくらいの部屋…。。人が生活しているとは思えない…
ダイニングルームの隣り…の部屋…は、多分、琢磨の寝室だろう…
「多分、そっちにあるのかな?」
《あれ程、好きだったんだもん…
バスケ、辞めた…と、言っていたけど…
何処かにあるはず…、玄関にバッシュもなかった
靴箱か何処かにあるのかもしれないし…》
好奇心…に、駆られたが…。。プライバシーに関わることだ…、恋人でも奥さんでもない…自分が、覗き見するようなことは止めよう…と、決めた…
「何しよう…っ」
《部屋、掃除する必要もないくらい…、綺麗だし…
家事をやって欲しいって、やる必要もないくらいじゃないの?》
壁に掛けられている時計を見上げる…
「夕ごはん…」
《仕事、終えたら…。。すぐに帰ってくる…と、言ってた…》
ただ…、帰ってくるのを待っているだけでは…いたたまれない…
何か、作ろう…と、冷蔵庫を開けた…。。冷蔵庫の中は…
「まぁ…これくらいあれば…作れそうかな? アルコールばっかだけど」
アルコールのビールやらが、これまた綺麗に陳列されている…適度に食材も入っている…
何とか…、その冷蔵庫に入っていた食材で鶏肉入りのポトフを作った…、有り合わせの野菜でサラダも…
「出来た~! うーん、口に合うか分からないけど。。」
実咲は、両親を亡くしてから…1人暮らしを始め…料理はとりあえず身に付けていた…
こんな所で役に立つとは…というような心境だった…
実咲は、琢磨の帰ってくるのをソファに座り…、待つことにした…が。。まるで、借りてきたネコのような心境だ…
自分は、本当にここにいていいものかどうか…、分からない…
「……」
《彼は、私のことを覚えていない…はずなのに、どうして、ここに来たら?…って、言ったのかな?
ただの同級生だから?
奥さんのフリをするのに、ちょうどいいから?
きっと、その両方なんだろうな。。》
ソファにあったクッションを抱え…、抱きしめる…
「…覚えていないなんて、酷い…っ」
《高校生の頃、1度だけ…自分の気持ちを伝えようとした…。。
でも、彼は……っ》
そぅ、独り言を呟き…、涙が溢れそうになった…
アレから、何年も経ってるのに…20代中盤にもなって、何故、昔の片想いを蒸し返すような出会いになるのか…?と、思えてならない…
「まだかな?」
《漆原くんの考えは、分からない…けど。
とりあえず、次に住める所を探すから…それまでの間だけ…と、伝えよう。。》
再び…、時計を見上げる…。。時間は既に20時を回りつつあった…
「……」
《…【早く帰ってくる】と、言っていたけど…
仕事、忙しいのか…
そりゃ、そうだよね? 弁護士だもん…》
実咲は、テーブルの上に置かれた郵便物の1番上…、白い封筒が目に付いた…
その封筒を手に取り、ソファの上にコロンと横たわる…