鬼遊び ーオニアソビー
それにしてもこの腕の傷はどうしたらいいのだろうか…。

やっぱり何度考えても結論は変わらなかった。誰にも絶対見せられない…。いや、見せたくない。姫花の思う壷になろうとも私の中で留めておくしかなかった。


腕に遺されたいくつもの切り傷は腫れがひく毎に「姫」と言う文字を浮き上がらせていった…。



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そんな出来事があった後も学校へ行く事を辞めなかった。やっぱり両親に心配をかけたくなかったから…。

私が強くなればいつかはイジメもなくなるかもしれない…。

みんなと同じように一人の人間として生きられるかもしれない…。

そんな小さな希望が捨て切れなかったから…。
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